仕事をする時のお馴染みの挨拶に“お疲れ様”や“ご苦労様”という言葉がありますよね。
でも、この”お疲れ様”や”ご苦労様”は、目上の人に使うとマナー違反とされる言葉として有名です。
でも、実はこれらの言葉の起源を調べてみると、”お疲れ様”も”ご苦労様”も、目上の人に対しても、失礼にならない言葉なんだそうです。
しかし、実際には「目上の人に”お疲れ様”や”ご苦労様”なんて非常識だ!」などと批判する、”非常識な人”が多いのも事実です。
そういうわけなので、トラブルを避けるためには、無難な挨拶を覚えておいた方が良さそうです。
でも、お疲れ様やご苦労様って、色んなシチュエーションで使える、便利な挨拶ですよね?これを使えないとなると、結構困りますよね?
では、目上の人を前にして、困らないよう無難な挨拶には、どのようなものがあるんでしょうか?
というわけで、今回はお疲れ様やご苦労様に変わる、無難な挨拶のマナーを考えてみます。
もくじ
お疲れ様は目上の人に失礼!?
“お疲れ様”や”ご苦労様”も、人によって色んな解釈があって、今ではかなり面倒な言葉です。
でも、正しい使い方やこれらに代わる無難な挨拶をするためには、やっぱり意味を知っておく必要があります。
そこで、まずこの2つの挨拶の意味から、おさらいしておきましょう。
ご苦労様の意味
“お疲れ様”も”ご苦労様”も、相手の労苦を労う言葉です。
そして、元々はどちらも目上の人に使っても良い言葉だったんです。
まず”ご苦労様”は、よく目上から目下に言う言葉だとされています。
時代劇で殿様が家来に「ご苦労であった!」とか、単に「ご苦労!」なんて言ってるシーンもあるため、上司やお客さんなどの目上の人に使うのは、マナー違反とされているようです。
しかし、日本語学者の飯間浩明先生は、”ご苦労様”を使う対象は、必ずしも目下の人ではないと仰っています。
⇒ 【ことばをめぐる】(990615)ご苦労さま,暮しの手帖より
また、著書の『遊ぶ日本語 不思議な日本語』の中では、家来から主君に”ご苦労”という挨拶が使われていると紹介しています。さらに、主君から家来に対するねぎらいの言葉は“大儀”が一般的だったそうです。
確かに時代劇では殿様が「大儀であった!」って、よく言ってますよね。
とは言え、現代の日本では、”ご苦労様”はやっぱり目上の人にはマナー違反と感じる人が多いようですね。
お疲れ様の意味
それに対して、”お疲れ様”の言葉の起源は、よく分かってないそうです。その代わり、特別な起源があるわけではないので、割と汎用的に使える言葉です。
言葉の意味は、相手の労苦を労う丁寧語です。だから、使う相手は誰でも構いません。もちろん、上から目線のニュアンスなんて存在しません。
それにも関わらず、”お疲れ様”は目上の人に対して使うのは、失礼とする人が一部にいます。
この理由は、昔、出版されたビジネスマナーの本に原因があるようです。一番最初にどの本が、そう主張したかは不明ですが、一時期、多くのマナー本で、お疲れ様は目上の人に失礼とされていました。
しかし、今では”お疲れ様”が目上の人に対して失礼というは、間違いだと再認識されてきています。
お疲れ様は堂々と使ってOK!
“お疲れ様”も”ご苦労様”も元々、目上の人に使って良い言葉でした。
とは言え、さすがに”ご苦労様”を目上の人に使うのは、現代ではリスキーですよね(^^;
でも、”お疲れ様”の場合は、もはや普通に使っても問題無いのではないでしょうか?
理由はこの2つです。
お疲れ様が間違いじゃないのは、一周回って既に常識だから
「お疲れ様」なんてキーワードで検索すると、目上の人に使っても良い言葉だと解説する記事がたくさん出てきます。
もはや今の世の中では「”お疲れ様を目上の人に使うのは間違い!”という考えが間違い!」というのが、常識になっています。
「お疲れ様は間違いじゃない!」というのが、改めてビジネスマナーとして一般化してきています。そして、、お疲れ様を使うのをためらっている人の方が、”非常識な人”という雰囲気になってきているようです。
一周回って、変に気を遣わない方が、良い時代になっちゃっています。
みんな違和感なく使っているから
何よりも、世の中の人たちは、目上の人だろうがお客さんだろうが構わずに、”お疲れ様”を使っています。
私自身も、お疲れ様をずっと使っていますし、それで怒られたこともありません。
それどころか、ビジネスマナー研修で講師の方が「お疲れ様を目上の人に使うのは間違い”というのが間違い」というように解説していました。
現役世代は、相変わらず普通にお疲れ様を日常的に使っているんです。
しかし、そうは言っても余計なトラブルは避けたいと思う人もいるかもしれませんね。
私個人としては堂々と「お疲れ様です!」って、言って欲しいんですが、一応無難な挨拶も紹介しておきますね!
お疲れ様に代わる無難な挨拶
“お疲れ様”を無理に使わなくても、それに代わる挨拶はいくらでもあります。
シチュエーション別におすすめの挨拶を紹介しますね。
挨拶として使う場合
職場では上司や同僚とのあいさつ代わりに、”お疲れ様”を使いますよね?
会議の場で会った人とか、お昼過ぎに会った同僚などに、普通に使うと思います。
この場合は”よろしくお願いします”とか”こんにちは”の代わりに使っていると思います。
そのため、そのまま“よろしくお願いします”や“こんにちは”を使えば問題無いと思います。
退社時
最もよく使われるシチュエーションは、退社時ですよね?
この場合、自分が退社する時と、誰かの退社を見送る時の2種類があると思います。
まず、自分が退社する時には”お先に失礼します”と言えばOKです。むしろ、こっちの方が正式な挨拶ではないかと思います。
その一方で、退社するのが上司だった場合が厄介です。
上司に向かって”お疲れ様でした”は、当たり障りがあるかもしれませんね。
そこで、この場合の代わりの挨拶としておすすめなのが「明日もよろしくお願いします」です。
退社時の挨拶としては、あまり一般的ではないですが、失礼にはならないですよね。
試してみてください(^^)/
お客さんに対して
お客様に対しては、どう言えば良いんでしょうか?
実はお客様に対して、”お疲れ様”を使う時も、あいさつ代わりに使っていることがほとんどです。
そのため、次のような言葉をかけるのが無難です。
- 「失礼します」
- 「よろしくお願いします」
- 「ご足労ありがとうございます」
そもそも、お客さまには”お疲れ様”を使うシチュエーションも、あまり無いのではないかと思います。
丁寧なあいさつはたくさんあるはずなので、それらを使ってみてください。
まとめ
というわけで、お疲れさまとご苦労様の違いや、使い方のマナーを考えてみました。
一時期はなぜか、お疲れ様は目上の人に失礼という意見が強く言われていました。
でも、これは間違いだったことが、再び常識になってきているようですね。
というわけで、もう一度記事の内容をおさらいしておきます。
- “お疲れ様”も”ご苦労様”も目上の人に使ってOK!
- 一周回って”お疲れ様”は使って大丈夫!
- 心配なら無難な挨拶にする
言葉の起源を調べると、”お疲れ様”も”ご苦労様”も目上の人に使うのは間違ってない!
「”お疲れ様を目上の人に使うのは間違い”というのが間違い」というのは、既に常識なので、目上の人にお疲れさまと言っても問題無い。
正しいからと言っても、無理に”お疲れ様”を使うのは、トラブルの元になるかもしれません。”お疲れ様”に代わる無難な挨拶も覚えておくと良いです。
しかし、一部にはまだ間違いだと思い込んでいる人がいるのも確かです。
トラブルを起こすのも面倒ですし、リスクを避けるために、無難な挨拶も頭の隅に知れておくと良いですよ!