皆さんは宴席の場で、乾杯をする時にはどうしてますか?恐らくみんなとグラスをぶつけますよね?
その時の正しいマナーとして、目上の人に対しては、相手よりグラスの高さを下げるというものがあります。
実は私は、つい最近知って、なんじゃそりゃと思ってしまいました…。
世の中には様々な謎マナーがありますが、やっぱり、この”乾杯の時にグラスを下げる”というものも賛否両論のようです。
果たしてこんなマナーは守る必要があるんでしょうか?
今回は、乾杯の時に相手よりグラスを下げることの是非について考えてみます(-_-;)
(最後にどんでん返しがあるので、終わりまでご覧くださいね)
もくじ
グラスを下げる意味
そもそもなぜ、相手よりグラスを下げる必要があるんでしょうか?
乾杯の時には、グラスを軽くぶつけるのが、慣習として定着していますね。
この時に、相手のグラスより上の位置でぶつけるのは、“上から”ということで失礼になるとされています。
だから、目上の人に対しては、特にグラスの位置の高さを、少し下げてぶつけることが、マナーとされているのです。
しかし、冒頭にも書いた通り、私はそんなマナー全く知りませんでした。グラスの位置なんて全く気にせず乾杯の時も適当な高さでぶつけてきましたが、怒られたこともありません。
だいたい、そんなことがマナーになったら、下の位置の取り合いになって、お互い床の位置で乾杯しなければいけなくなっちゃいます。
こんなこと本当にやる必要あるんでしょうか?
こんな事本当に必要なのか?
なんだか、日本の場合、マナーの上にさらに新たな謎マナーが加わることが、とても多い気がします。
そもそも、乾杯の時にグラスをぶつけるのはなぜなんでしょうか?
乾杯の起源
グラスをカチンとぶつける理由には、諸説あります。
- 毒を盛られることを防ぐため
- 悪魔祓い
昔のヨーロッパは戦乱が絶えなかったため、宴会の時にも毒を盛られないように、注意する必要がありました。そこで、お酒の中に毒を入れられることを防ぐために、互いのグラスを強くぶつけて、自分のグラスの中の酒を相手のグラスに入れるようになったと言います。
キリスト教の文化圏では、宴会をする時には悪魔を追い払う必要があると考えられていたようです。そこで、チリ~ンという音を鳴らすことで、悪魔を追い払うために、乾杯の時にグラスをぶつけるようになったという説もあります。
そして、この乾杯の文化が日本に入ってきたのが、幕末の西暦1854年と言われています。
この時にイギリスと日本の間で結ばれた、日英和親条約締結を記念する晩餐会の場で、初めて乾杯が行われました。イギリスのスコットランドから派遣されたエルギン伯爵が、イギリスには乾杯の風習があると紹介し、日本の井上清直が困惑しながらそれに付き合ったのが始まりとされています。
でも、これはヨーロッパ式の乾杯です。実は日本式の乾杯は盃をぶつけたりはしないんです。
そもそもグラスはぶつけないもの
日本の歴史では、そもそも乾杯の時に、盃をぶつけるようなことはせず、ただ自分の目線の高さに盃を掲げるだけです。
また、そもそもグラスをぶつけると、割れてしまう危険があります。そのため、ワイングラスのような割れやすいグラスの時には、ぶつけるのは逆にマナー違反です。
さらに、結婚式のようなフォーマルな席の場合、グラスをぶつけて割ってしまうのは「関係に”ひび”が入る」に通じるため、これもマナー違反とされています。
実は乾杯の時にグラスをぶつけるのは、やって良い場合とダメな場合があるので要注意なんですね。
礼儀や信用を気にするような、かしこまった宴会では、そもそもグラスなんてぶつけない方が良いこともあるんです。
肯定的な人が少ない
さらにこのマナーは、肯定的に受け止めている人が少ないです。
ねとらぼが行ったアンケートによると、まず「乾杯の時にグラスを下げる」ことを知っている人は、6割程度だったそうです。そして、知っている人の中で、このマナーに肯定的な人は、2割未満しかいませんでした。
ところが、肯定的な人が少ないにもかかわらず、実践している人は8割程度いました。
※乾杯するときは目上の人よりもグラスを下に?より
半数近くは実践しているようですが、肯定的に思っている人は、日本人の1割にも満たないわけです。
そもそも、フォーマルな宴席では、グラスをぶつける事自体が、マナー違反なわけです。そこに”グラスを下げてぶつける”なんて、マナーを上乗せすること自体ナンセンスなんじゃないでしょうか…?
肯定的な人も少ないんだし、こんなのやらなくても良いんじゃないでしょうかねぇ(-_-;)
まとめ
今回は、乾杯の時にグラスを下げるマナーについて考えてみました。
そもそも、グラスをぶつけて良いのはカジュアルな宴会の場合のみです。そもそも、このマナーの存在意義自体が怪しいんですよね…。
というわけで、今回の内容をまとめておきます。
- フォーマルな席ではグラスはぶつけない
- 割れやすいグラスはぶつけない
- 乾杯する時には相手よりグラスを下げてぶつける
結婚式など、フォーマルな宴席では、乾杯の時には目線の高さにグラスを上げるだけにするのが、正しい乾杯のやり方です。
ワイングラスのような割れやすいグラスの場合は、乾杯の時でもぶつけないのがマナーです。
このマナーは、肯定的な人も少なく、認知度も低いです。相手より下げるくらいなら、簡単にできるので、知ってるならやっておいた方が無難なくらいです。でも、相手がやらなかったとしても、無理も無いことなので、目くじらを立てるのはやめましょう…。
このようにどう考えてもやる意味が感じられないのが、このマナーです。
もはや、こんなのやらなくても良いだろうと思い、念のため色々と調べてみたところ、なんと日本で最もフォーマルな宴席の場面で、このマナーをやっている人がいました…。それはアメリカのトランプ大統領です!
天皇皇后両陛下に対して、身長の高いトランプ大統領が、わざわざかがんで下からグラスを合わせています!(メラニア夫人は天皇陛下の上から、合わせてますけどね…)
トランプ大統領が、このマナーを知っていてやってるのかは不明です。でも、私たちも知ってるならやっておいた方が無難かもしれませんね…。