公共の場所で、足を組んでいる人を見かけると、不快に感じますよね?
日本では足を組むことは、一般的にはマナー違反と考えられています。でも、それってなぜなんでしょうか?
欧米ではマナー違反にならないなんて言います。
その違いを調べてみると、実はある共通点があることが分かりました。
日本の場合も欧米の場合も、実に合理的な理由があったんです!
というわけで今回は、足を組むことがマナー違反とされる理由を考えてみます!
もくじ
足を組むことがマナー違反とされる理由
日本では足を組んで座るのは、あまりよく思われませんよね。
私も足を組んで座っている人には、あまり良い印象を持ちません。
その主な理由を調べてみると、大体この3つだということが分かりました。
- 横柄で傲慢に見える
- 場所を取る
- 不潔
何と言っても、足を組んで座っている人は、横柄で傲慢に見えます。上から目線で対応されているような感じがしてしまいます。謙虚さを重んじる日本文化においては、ちょっと印象が悪いですよね。
足を組んで座られると、幅を取りますよね。電車の中なんかでは、座席に座れる人数が減ってしまいます。電車でマナー違反とされる理由の一つですね。
足を組むと、足の裏が見えてしまいます。足の裏って不潔な印象です。それが靴底ならなおさらです。また、靴底が実際に隣の人に触れてしまったら、汚れてしまって大迷惑です。
このとおり、足を組むのがマナー違反とされる理由なんて、改めて紹介する必要も無いくらい当然のことでした。
このように足を組むことは地味だけど、印象が悪くて、迷惑な行為です。
それなら、普通に足を揃えて座れば良いのに、なぜ足を組んじゃうんでしょうか?
足を組んじゃう理由
実は私も周りに人がいないと、足を組んじゃうことが多い人です。さすがに周りに人がいる時には、やらないですけどね。
でも、私も含めて、なぜ世の中の人は足を組んじゃうのでしょうか?
これも調べてみたところ、大きく分けてこの3つなんだそうですよ。
- 自己顕示欲・自分を良く見せたい
- 防衛意識が働いている
- 楽だから
足を組んで座ると、自信があるように見えますし、立場が上に見えます。女性なら綺麗でセクシーに見えます。立場を上に見せたり、カッコよく綺麗に見せたい心理が働いている時に、人は足を組んじゃいます。
足を組むことには、自分の立場の方が上だと示したい時です。難しい交渉をしてる時や、責められている時など、自分を守りたい時に、足を組んで構えてしまいます。
一番多いのは単に楽だからです!足を揃えて座ると、またが開かないように足をキュッと閉めて座らなければいけません。ずっとそうしてると疲れちゃうので、足を組んじゃうわけです。見方を変えると、リラックスしたいからとも言えますね。
私の場合は、やっぱり3つ目の疲れちゃうからという理由ですね。ずっと足を揃えていると疲れちゃうんですよね。
だから、いつもガニ股座りか、足を組んじゃうかのどちらかです(^^;
行儀が悪くてすみません…。
しかし、日本では行儀が悪いとされる足を組む行為は、欧米では問題視されません。
いったいなぜなんでしょうか?その理由を調べてみると、ある共通点があることが分かりました。
正座の意味
昔の日本には、椅子に座る文化がありませんでした。
そのため、正しい座り方は正座とされてきました。しかし、正座の歴史って、実はそんなに古くないんです。
正座が広まったのは江戸時代初期
正座が広まったのは、江戸時代初期のことでした。将軍家が全国の大名に参勤交代を義務付けたため、大名たちは将軍に謁見するようになりました。
その時に、正しい作法とされたのが、正座だったんです。
戦国時代を描いた大河ドラマなんかでは、武将たちはみんな胡坐をかいているので、意外かもしれません。
でも、江戸時代の武士たちは、主君に謁見する時にはみんな正座だったんだそうです。
胡坐は”足を崩す”
正座が正しい作法として、世の中に広まるまでは、実は胡坐をかいて座るのが普通でした。
胡坐をかくことは、無作法とはされてなかったんです。
でも、正座が主流になったことで、胡坐をかくことを“足を崩す”なんて表現するようになりました。
また「胡坐をかく」という言葉も、油断した態度を表す意味になってしまいました。
足を揃えて座るのは正座の延長!
やがて明治維新を経て、日本に西洋の文化が入ってきました。
椅子やテーブルを使う文化が入ってくると、新しい座り方をする必要が出てきました。
その時に、正座の延長として、足を揃える座り方が正しいとされるようになりました。
足を組んで座るのは、胡坐と同じような行儀の悪い座り方とされたわけです。
しかし、元々、椅子とテーブルの文化だった欧米では違いました。
アメリカの場合は足を組むのが礼儀
欧米の場合、足を組むのは、リラックスしていることを示す意味があります。
こうすることで、相手を受け入れていて、敵意が無いことを表現しています。
欧米では、昔から自分の身は自分で守るという考え方が普通でした。特にアメリカの西部開拓時代は、銃で撃たれたらすぐに命を落とす危険がありました。
そのため、まずは敵意が無いことを示すことが、身の安全を保つために、重要なことだったんです。
一方の日本の場合、将軍や大名などに謁見する時には、両脇には必ず、小姓などの護衛を兼ねた家来がいます。
そのような場では、謁見する立場の武士は、手出しすることはできないので、自分の身の安全のみが重要になります。
その時に、失礼な態度を取ったら、成敗されちゃう危険だってあります。だから、従順で抵抗する意思が無いことを示すことが、最も安全なわけです。
欧米でも日本でも、座り方には敵意が無いことを示す意味があることは一緒です。
でも、そのための座り方は全く逆というのは面白いですね!
まとめ
今回は足を組むことが、マナー違反とされる理由を紹介しました。
日本人にとっては、マナー違反でも、文化が変わると捉え方が違うんですね。
というわけで、もう一度おさらいしておきます。
- 普段は足を揃えて座る
- 親しい人と一緒の時は足を崩すとフレンドリー
日本では、普段は足を揃えて座るのがマナーであり、礼儀作法です。どんな時でも足を揃えて座っていた方が無難です。
足を崩しているのは、リラックスしていて、相手を受け入れていることを示す意味もあります。親しい人の間では、あえて足を崩すのもアリです!
歴史的には、正しい座り方をすることは、自分の命を守る意味がありました。
座り方から受ける印象は、それくらい大きいということですね。
皆さんも正しい座り方をして、周りの人と良い関係を築いてくださいね!